ベーシストの指力と忍耐力に脱帽

2008.02.01

ベーシストデビューから1週間、1日15〜30分程度で、右手に出来たタコを維持する程度に練習している。昨日からは今月末くらいに行うセッション用の曲の練習だ。

これでパニックが起こっている。1つが、近年ジェフ・ベックがライブで2曲目に演奏している曲、Stratus。これはジェフ・ベックのオリジナルではない。原曲はビリー・コブハムの名作と呼ばれているアルバム「Spectrum」に入っている(ギターはトミー・ボーリン)。ジェフ・ベックには珍しくオリジナルに忠実に演奏されている。

よってベースもオリジナルと恐らく同じ。簡単に音を取るとこんな感じだ。

Bメロやエンディングではギターやシンセとユニゾンとなり、異なるリフが奏でられるが、曲の90%は上のリフを延々と弾かなくてはならない。テンポは160くらいだ。1st, 5th, b7thと言うベースの基本の音使いしかされていないので、左手の指使いは特に難しくないが、これを5分以上も続けるのが大変なのだ。

右手の二の腕がピクピクしちゃう。もしこれを1時間弾き続けてたら確実に腱鞘炎になるだろうなってくらいに辛い。Highway Starを指弾きするよりも大変だ。と言うのも、上のリフは8分音符が延々と続き、右手の指は全く休憩する事が出来ない。Highway Starはベースラインによって右手を休める事が出来る。

不思議なんだ。4分音符、2分音符(もしくは4分休符、2分休符)がフレーズに含まれているだけで、右手の指は休まる。たった一拍、二拍を休憩するだけで右手は復活するのである。だからHighway StarよりもStratusのような延々と続くリフの方が苦しい。

しかもこんな単純過ぎるリフだからこそ気を抜くと訳が判らなくなる。こういうのを真性ベーシストはいとも簡単に5分、10分と弾き続ける事が出来る。これは凄い事かもしれない。一昨年のジェフ・ベックのライブ映像を見ると、ベーシスト(ちと名前失念)も、ニコニコしながら余裕で弾いている(なんか3本指を使っているみたいだが)。

もう1曲、聴いている限り、そうでもないが、意外に左手が忙しいのが、これまたジェフ・ベック、近年のライブではStratusの次、3曲目に演奏されているYou Never Knowだ。「There And Back」に入っていた曲で、スタジオ盤のシンセベースのリフはベーシストが弾いている。


上の譜面は「恐らくこんな感じだろうなぁ」と言う半コピーである。と言うのもスタジオ盤のシンセベースはどうもリフの最後の方が良く聴き取れないのと、3つのライヴバージョンを比べるとどれも違ったリフを弾いている。だからそれぞれのベーシックとなる部分のようなフレーズが上だ。

ジェフ・ベックの曲は単純構成のものが多く、これもBメロ部分を除いては延々と上のようなリフが弾かれる。似非ベーシストのオレは上のリフでも結構間違うし、上手く弾けていてもずっとこのリフを弾くのは辛い。3分ちょいの曲だから3分は持つだろう。でもセッションとなるとリード奏者が複数いる訳だから、StratusもYou Never Knowも5分〜10分くらい演奏する可能性も高い。

3分限定だったら似非なオレでもなんとかなるが、5分となるとStratusでは右手の腱がピクピク悲鳴を上げるだろうし、You Never Knowだともうちょっと楽に弾けるリフに切り替えるようになってしまう。

例えばStrats。上記の譜面でなく、次の譜面。

このように何箇所かにタイで指が休める部分、そして左手は動くが、その分メリハリがついて同じリフを延々と弾くよりもリズムキープが容易になる。

でも世のベーシストはこれをせずに延々と同じリフを繰り返す。仮に10分続こうが、後で不平を述べるかもしれないが、演奏中は疲れたと言って指を止める事はない。うーん、ベーシストの指力と忍耐力、これは凄いと思う。

面白い事実がある。これは人間の神秘とでも言おうか、適応力とも言うだろうが、初めてStratusを練習した時は上述したように3分が限度だった。もう2分を越すくらいから右手がおかしくなりつうたった。でも何度か練習していると、無意識に無駄な力を排除しようとするのだろうか、3分くらいはへっちゃらになってくる。

そしてたまげたのが翌日になると5分くらいはへっちゃらになるのだ。これはベーシストとして素質があったのではない。あくまでも慣れ、体が慣れちゃっただけ。つまり、人と言う生き物はすぐに脳味噌が学習するから、どうすれば楽を出来るか、つまりサボタージュ出来るかを常に考えているのだろう。よって無駄に入っている力を抜く事で疲れる作業を継続する事が出来るのだろう。

いずれにせよ、こういう鍛錬を続けているベーシストってやっぱり凄いと思う。



   



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