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| ジャズを語る ジャズギターを聴く |
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2007.11.16 |
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403話で、ジャズギターなんて嫌いなるネタを書いたが、時折、このジャズギターのしょぼい音に魅せられる時もある。 何しろ音色が古臭い音でしょう?。だからノスタルジーを感じるジャズを聴こうと思うとジャズギターが入っている方が「らしい」のである。ピアノはギターと同じポロンポロン系の音を出すが、美し過ぎるし、和音にも迫力があり過ぎる。叩きに叩くホレス・シルヴァーなんて真夜中に聴こうとするには勇気が必要だ。 ギターは煩くないってのがいい。だからノスタルジックな意識を持って深夜にジャズを聴こうと思うと必然的にジャズギターになっちゃう(BGMとしてなら何だって良いのだが)。 良く聴くのが「The Herlem Jazz Scene-1941」。これは邦題の方が有名。「ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン」と言う。別にチャーリー・クリスチャンがリーダーのアルバムではないのだが、何故かチャーリー・クリスチャンなのだ。 詳細は289話に書いているが、とにかく1941年に、この人がこういうギターを弾かなかったら、エレキギターの歴史が変わっていたかもしれない、エレキギター史的にも価値のあるアルバム。1941年だから戦前だ。60年以上も前にこれほどピロピロとギターを速弾いていたのだから、きっと当時は斬新だったのだろう。何せその頃はまだギターはただのリズム楽器でしかなかったのだから。 このアルバム、たまたたまそこに居合わせた観客がテープを回していただけの、ほとんどブートと言って良い。時代が時代だけにモノラルだし、雑音は多いのだが、それがまた昔のAMラジオっぽく古臭さを増幅させて、1941年にタイムスリップこそしないが、脳味噌が相当に古い感覚になってくれる。 この人、極力、親指でダウンピッキングをしていたそうで、どうして親指だけであんな速いフレーズを弾けるのか結構不思議なのだ。近頃のオレも指弾き率は8割を超えるが、速弾きする時はそろばんをはじくように親指と人差し指を交互に使うか、人差し指をピックに見立ててでないと弾けない。ジェフ・ベックだって速弾きする時は2、3本の指を使うか、人差し指1本攻撃だ。そしてオレもジェフ・ベックもオーバードライブを掛けている。 極力親指でダウンピッキング・・・、だからして速いパッセージでは人差し指も使っていたろうし、明らかにハンマリングオン、プリングオフをしている部分も見受けられるが、それでもナチュラルなクリーントーン、そして正確で速いピッキング、うん、凄いと思う。 これはレコーディングやライヴを目的として演奏された内容ではない。ジャズメン達の自己啓発、もしくはストレス発散を目的としたセッション模様だ。プロだろうがアマチュアだろうが、今も昔も、それぞれにとってみればセッションってのは他のメンバーはライバルであり、観客でしかない。彼らに自分を見せ付ける為の最高の場だ。楽器が弾けるライバルが観客であるからこそ、より燃える。「あいつがあんなフレーズを繰り出した!、何糞、だったらこれでどうだ!」、そんな凌ぎ合い。 だから演奏はプロの演奏だから纏まってはいるが、非常に荒々しい。しかもチャーリー・クリスチャンのギターが他のリード担当のトランペット、サックス、ピアノと同等にガンガンとアドリブを繰り出している。上述したように60年以上も前にこのアドリブ。少なくとも現代のロックギター、ジャズギターを含め、速弾きへのアプローチはすでにこの時代にチャーリー・クリスチャンがほぼ確立していたと言えよう。 運良くGuitar Magazine誌の8月号で彼を特集していて、一部であるが、彼のフレーズをコピーした譜面が掲載されていた。また特徴的なフレーズに対して、どのようなアクションを起こしているかを解説していたので、なるほどと理解出来ちゃう。
1、マイナーペンタトニックスケールを使っている 1曲の中でそれぞれのコード毎にこのような事をやっている。きっとキメフレーズで弾いても大変だろうに、それを瞬時にアドリブとして演奏しちゃうのだから、音楽理論にも精通していたのだろう。1つ1つのフレーズは丸でキメフレーズかのようだが、全体を聴くととっても荒々しく感じる。 しかも1941年のミントンハウスでのセッション、これは今ではビバップの夜明けとまで呼ばれている名作な訳で、チャーリー・クリスチャン以外のミュージシャンの演奏もこれまたとんがりまくっているのだ。客に媚を売っていない、自分達、いや自分だけの為に演奏している感覚が気持ち良い。
アルトサックスのポール・デズモンド、デイヴ・ブルーベック・カルテットではあの変拍子の名曲、Take Fiveを作曲した。この人のリーダーアルバムの中に、Take Fiveの続編とも言うTake Tenが収録されている「Take Ten」、そしても1枚、「Easy Living」がある。録音時期とメンバーを見ると、同じセッションの中で録音され、それがアルバム2枚に分けられて発売されているようだ。 この2枚はピアニストは参加しておらず、ギターにジム・ホール。要するにリズムを刻んでいるのはギターなのだ。ジム・ホールと言うギタリスト、特に興味がある訳じゃないが、ピアノレスのカルテットってのは、ポール・デズモンドの甘いサキソフォンの音色と共に中々落ち着いて良い。 話が少し逸れるが、ポール・デズモンドさん、この人はやはりデイヴ・ブルーベックとの活動の方が有名で、このグループは何が何でも変拍子的なところがあって、曲が曲だけに荒々しいイメージがあるが、実はメロウ系のアーチストなのだ。テナーよりも高音域を担当するアルトを吹くってのが理解出来る。
ジム・ホールもとんがり系でなく、どちらかと言うとモダンで甘いギターを弾くから、メロウなポール・デズモンドの音色とジム・ホールのカップリング、しかもピアノレスだから、全く煩さを感じない。この2枚、中々のアルバムだと思う。 ジム・ホールでもジム・ホール名義のアルバムは当然ジャズギターが主役だけにオレ個人は面白くも何とも無い。ギター、ベース、ドラムと言うトリオでの1996年録音の「Live In Tokyo」を持っているが、やはりジャズギターは嫌いなのだろう。感動はない。同じギターが主役のアルバムでもウィントン・ケリーのピアノトリオにウェス・モンゴメリーが加わった「Smokin' At The Half Note」と言うライヴはピアノが入っている分、まだ飽きない。 速弾き王者って感じで好感を持てるジャズギタリストがケニー・バレルだ。この人のピッキングのアタック音はこれでもか!、ってくらいにカッチリしている。ガツンガツンと超速弾きしてくれちゃうから相当に気持ちが良い。この人には甘くて切ないフレーズなんて皆無ってくらいに、フレーズだけを聴けばハードロッカーである。 「At The Five Spot Cafe +3」や「Introducing +2」の2枚のアルバムは良く聴くし、サイドメンとして参加しているダグ・ワトキンスの「Return To Paradise」やレイ・ブライアントの「No Proglem」なんかも結構良かったりする。
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