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まだ聴いていないアルバムがそれこそ腐る程あるのだが、図書館にはそれこそ無数のCDが揃っていて、集める気はないのにどんどんと手元に音源が増えていってしまう。
マイルス・デイヴィスの20枚組の「The Complete Miles Davis At Montreux 1973-1991」を1年くらい前に図書館で見つけ、小躍りどころか万歳三唱、部屋中で大パレードまでしてしまったが、これもようやくつい最近だ、全部聴いたのは。しかも全部聴いたとは言え、あくまでも一通り聴いたと言うだけで、「何枚目のライブのあの曲のジョンスコのあのフレーズが最高!」なんてとてもじゃないが言えないのである。
そんな状態なのにこの1ヶ月で相当なアルバムを図書館からゲットしてきた。その中で気になったもの(気に入ったのではなく、気になったもの)を幾つか挙げて行きたい。
まずはジョージ・ラッセルの「Ezz-thetics」。意味は不明だがエズセティックスと読むらしい。この人は音楽の歴史をある意味変えた人でもある。モード理論を徹底的に追求し、書籍として出版しちゃった人なのだ。
書籍の原題は「The Lydian Concept Of Tonal Organizetion」。日本語にも翻訳されていて、大きな楽器店に行けば大概置いてある。少なくとも銀座の山野楽器とヤマハにはあった。ただオレが読んでも良く判らないし、皆さんも余程モード命って人じゃない限り、必要あるとは思えない理論書である。
その理論に置けるラッセルの言葉をライナーノーツから拝借しよう。
不協和音を意に介す事無く、あらゆる曲にその中心となる基礎的な主音を存在させている。それは無調音楽とは明らかに一線を画するもので、このリディアン的概念を導入する事によって、ほとんど全ての音楽におけるトーナル・イディオムを定義付ける事が可能になる
ねぇ?、理念すら判らんでしょう。これだけだとフリージャズ?、と勘違いもしたくなる。また理解したところで、だからどーしたってなり、モードには興味があるが、翻訳された本を楽器屋でちょっと立ち読みしただけですぐに本棚に戻してしまったのだった。とは言え、当時、50年代、60年代、この理論が絶賛とまでは行かないだろうが、一定の評価を受けてもいたようで、時代をリードしていたジャズメンの1人なのだ。
そういう意味で有名な人ではあるが、どうやらピアノストとしては成功を収めていなかったらしい。だからこの人のアルバムなんて1度も聴いた事がなかったのだ。このアルバムがどういう位置づけなのか、ライナーノーツを読んでも皆目検討が付かないが、聴く前はどれほど斬新な音楽なのだろうかと思ったら、まぁ、、、普通のジャズだった。
ラッセルが提唱しているリディアンクロマチック、12音を全て使ってどうのこーの、全ての曲がこれをやっている訳でなく、6曲中ラッセルのオリジナルは3曲で、どうもうち2曲でこの理論が使われているらしいが、聴いてもチンプンカンプン。
ロックはベースを聴けばおおよそのコードは理解出来る。でもジャズの場合、ベースはウォーキングベースで動きに動いているから、どれがトニックなのか判らないし、ピアノのバッキングは色々とテンションノートを多く含んでいるから、相対音階しか持ち合わせていない馬鹿耳のオレにはコード進行だってさっぱり判らないのであった。
録音は1961年だからモードジャズがそろそろ色々なジャズメンに親しまれだした頃だろう。確かにこのアルバムも100%モードではなかろうが、無機質な曲が多く、マイルス・デイヴィスが65年に録音したアルバム「E.S.P.」の雰囲気にどことなく似ている気がした。
そう、モードの欠点は調性音楽のような複雑なコード進行はなく、II-V-Iと言うサビに使われるようなコード進行だって存在しない。だから盛り上がりに欠ける曲が多い。曲が単調なのだ。演奏する側は、楽を出来る反面、色々なスケールを扱う事で結構楽しいものだが、リスナーの立場からはモードばかりを聴かされちゃうと、正直眠くなってしまう。「E.S.P.」を聴きながら何度爆睡した事か・・・。
さて、このアルバム、サイドメンにも注目だ。サックス、クラリネットを吹く、エリック・ドルフィーが参加しているのだ。ハードッカーには知らない名前だろうが、ジャズの世界ではかな〜り有名な方。若くして亡くなったので伝説化しているとも言えよう。
ただ、残念ながら、オレはあまり興味がない。と言うのもどうもこの人はフリージャズな人、と言うイメージが付きまとっているのだ。晩年のジョン・コルトレーンと演っていた演奏を聴くと、フリージャズに走ったコルトレーンの音楽そのものが不愉快だからってのもあるが、やはり好きになれない。
アルバム中ではフリージャズが顔を出すシーンはほとんどないが、アルバム最後を飾るのが、あの名バラード、'Round Midnight。これを聴くとやっぱりフリーな人だなぁ〜と思っちゃう。これはジョージ・ラッセルのアレンジにも問題はあろうが、名曲なだけに駄作ではないが、不思議な感じがする'Round Midnightであった。
アルバムを通しては、なんて言うのか、全体をにアンニュイな雰囲気があるのだが、粘りっこさが足りないとでも言おうか。日本では何故かエリック・ドルフィーが凄い人気だから、彼が参加していると言うだけで一聴の価値があるなんて言われるかもしれないが、そうじゃない人にはどうかなぁ〜。悪いアルバムじゃないと思うが、これよりも優れたアルバムはごまんとあるのだから・・・。
おやぁ・・・、この1話で5、6枚のアルバムの解説をしようとしたら、ジョージ・ラッセルだけでこんなに書いちまった。続きは明日だ、もうオネムちゃんであーる。だってもう午前2時を回っている・・・。
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