世の中はハムバッカーに傾いている?

2005.5.29

先日、個人練習でスタジオに入った。1人で入るのは馬鹿馬鹿しいので知り合いのギタリストを誘っての事。

その彼、普段はリアにハムバッカーの付いたフェンダーのストラトキャスターを使用しているのだが、この日、虎目の美しいギブソンレスポールを持ってきていた。レスポールを持っているのは知っていたが、これ程美しい虎目レスポールとは思わなかったので、「あれっ?、また買い物したの?」とちょっとびっくり。

基本的にレスポールと言うモデルは好きでない。理由はここで何度も述べている通り、シングルカッタウェイの為に高フレットがやたらに弾き辛く、その高フレット、オレの指が人より極端に太いって訳じゃないが、ミディアムスケールだから非常に狭く感じる。

だからどうしても常時演奏するギターとは考えにくい。ただあのグラマラスなボディライン、ソリッドギターでありながら古典的で古臭さがこれまたいい。またフェンダー系のギターよりも塗装に気を配っているのか、ギブソンは勿論の事、その他コピーモデルでも見た目に美しいギターが多く、部屋に飾っておくには最高のギターだ。

そしてタングステンランプに照らされたそれを見て、嗚呼、久々に弾いてみるかってな感じで、少し古臭いブルースロックなんかを弾いてみる。普通は30分も弾いていれば満足し、以後1ヶ月はレスポールは見るだけ、触らない日々が続くのだが、運が悪かったのか、それとも良かったと言うべきか・・・。

少し前にレッド・ツェッペリンのDVD(タイトルそのものがDVD)を見てしまった事もあり、このところレスポールを手元に置いている事が多い。レスポールと言ってもオレのはグレコのレスポールモデルなので、優越感こそないが、やはりこの形をしたギターを持つと気分はジミー・ペイジになるのだった。

いや、ジミー・ペイジになると言うよりも、60年代後半から70年代のブリティッシュロックギタリストみんなになり切れると言ってもいい。ジェフ・ベックだってエリック・クラプトンも使っていた(もしかするとリッチー・ブラックモアだけが公式の場でレスポールを使った事の無いギタリストなのかもしれない)。

そんな訳でオレがレスポールから出す音はハムバッカーピックアップを過激に歪ませたヘヴィメタルサウンドでなく、あくまでもナチュラルなオーバードライブ音。しかもジミー・ペイジに倣って、半分以上をリア&フロントのピックアップをミックス音がお好みだったりする。

またヴォリュームを半分くらいに絞ったクランチサウンド。ストラトキャスターなどのシングルコイルタイプのギターでもセッティングによって綺麗な音が出るが、クランチサウンドはやっぱりハムバッカー搭載のギターの方がブルージーに思える。シングルコイルだと微妙に音が軽い。ブルースってのは泥臭いながら重さを感じたい、そうなるとハムバッカーのクランチサウンドがカッコいい(やっとこさ本題に辿り着いた!)。

Infoseekサイト
http://np-music.hp.infoseek.co.jp/の方は下
それ以外のサイトでは下
MP3 DATA
スローブルース
MP3 DATA
スローブルース

そんな訳で久々にレスポールでドブルースを弾いてみた。ジミー・ペイジはこの手のスローブルースを無茶弾きをするのがお好きなようで、それがまたなんともカッチョイイ。今回それを見習い、無茶弾きをしてみた。チョーキング中心の泣きのフレーズだけがブルースじゃない。この手の速弾きでも十分に泥臭いフレーズを作れる。

この無茶弾きに似合うスケールはやっぱりブルーノートスケール。基本はマイナーペンタトニックスケールだが、メジャーペンタトニックスケール音を足し、さらに♭5th音を入れたスケールで、これに指癖のよるM7th音(単独では使わない、経過音として)も加えての演奏。

1コーラス目前半のちょっとジャズっぽいフレーズではフロントピックアップを5に落として、ピックが落ちそうなくらい握りでかる〜く弾いている。2コーラス目からリア&フロントピックアップをミックスさせ、リア7、フロント10でピッキングはかなり強め。あとは臨機応変。軽い音に聴こえる部分はリア&フロントミックスで両方とも7くらいに抑えたり、軽いピッキングを心掛けたりの演奏。

今回、例によって録音はほぼ夜中。アンプを鳴らせる訳も無く、アンプから直接パソコンに音を取り入れている。アンプシミュレーターでもかましていれば良いのだが、残念ながらそんなデジタルな機材、持っている訳が無く、ヘッドフォンからはメリハリがなく、パンチ力も無い、超〜電気的な音だけが再生される。

そこでエフェクターを駆使して音を加工してやらねばならない。この音はイコライザーで高音をブースト、低音をカット、さらにワウワウを使って中高音をブーストさせている。録音した音質に満足は出来ないが、それでもハムバッカーのサウンドの特徴は再現出来ているんじゃなかろーか。

上にも書いたが、レスポール、ハムバッカー付きギターを使うとリアピックアップの出番は少ない。パワーコードでもリアとフロントをミックスさせて、フロントを3〜5くらいに絞った音を使うし、ギターソロはリア&フロント、もしくはフロントオンリーってのが大半だ。

リアピックアップの音を毛嫌いしている訳じゃなく、ジャンルによって、オジー・オズボーンでランディー・ローズになりきったり、ジョー・サトリアーニの今風のロックインストをやるなら絶対にリアピックアップでパワー、パワーって感じで歪ませた方がカッコいい。

そう考えると・・・。かつてストラトキャスターこそ万能ギターと言われていた時代があった。フュージョンサウンドではシングルピックアップの軽い音でハイコードバッキング、ハードロックならリッチー・ブラックモアのように強烈に歪ませ、ブルースだったらエリック・クラプトンのようなセンターピックアップをミックスさせたお篭りさんサウンド。「ストラトは万能」、ストラトキャスター信奉者のオレはこれを1年前までずっとそうだと信じ切っていた。

しかし、今になって考えると、ストラトキャスターはいかんせんパワーがない。音質の好き好きはあれど、どう考えてもハードロックやヘヴィメタルには無理のあるギターだ。しかもネックは21フレットしかない。

反面、レスポールなどのハムバッカーギターは音色こそ太くて、それを切れが悪いと表現する事もあるが、これはイコライザーを使えば簡単に切れのある軽快サウンドを出せるし、高出力だからアンプによってはエフェクターを使わずに単体でもハードロックに対応出来ちゃったりもする。オーバードライブやディストーションと併用すれば、それはそれは見事なサスティーンを得られる。何しろノイズが少ないのがいい。

そしてB.B.キングを代表するブルースギタリストの多くはハムバッカーピックアップ搭載のギターでナチュラルな、そしてクランチな音でブルージーな音を奏でる。ジャズギターには詳しくは無いが、多くは重くて太いサウンドだ(弦そのものも太いが)。そう考えていくとハムバッカー搭載のギターの方が万能だと判る。だから何故以前はストラトキャスターが万能ギターだと言われていたのか、首をかしげるようになってしまったのだった。

ハムバッカー搭載ギターと言うと、ジミー・ペイジの影響で真っ先に出てくるモデル名はレスポールだが、ギブソンのほとんどのギターはハムバッカー搭載で、ES335、SG、フライングV、ファイアーバード・・・。ヤマハは独自のSGモデルを開発し、B.C.リッチは24フレット仕様のハムバッカー搭載のギターで有名だ。

つまりストラトキャスターやテレキャスターのようなシングルピックアップ、21F仕様はむしろ少数派。事実、今では、弾き易さの点からストラトキャスターを使うギタリストは多いが、ヴァン・ヘイレイからの流れでピックアップをハムバッカーに交換している人も相当数上るし、世の中の似非ストラトキャスター(アイバニーズやアリア・プロII等のストラトっぽい形をしたギター)はハムバッカーが最初から付いていたりする。

第一近頃ではシングルピックアップに固執していた本家フェンダーですらストラトキャスターにハムバッカーを搭載させたギターを作っており(さらには24F仕様なんてのも出しちゃっている)、冒頭のギタリストだってリアにはハムバッカーがでーんいと居座っているストラトキャスターをメインで使用している。

以前に楽器屋を訪れた時、店員が「最近はストラトキャスターはあまり売れずレスポールが売れる」、これは単にB’zのギタリストがレスポールを使っているから、JPOPファンがこぞってレスポールを買っているのだとばかり思っていたが、それ以上にハムバッカー搭載のギターが馬鹿売れしているようだ。時代はすでにシングルコイルピックアップではないのだろう。

今、非常に悩んでいるのが、手持ちのフェンダージャパンストラトキャスター。こいつはドノーマルだからノイズバリバリ超低出力のシングルコイルピックアップが付いている。どう考えても普通には使えない。だから1年くらい前からピックアップの交換を検討していて、やれダンカンがいい〜、ディマジオのヴィンテージシリーズがいい、なんて言っていたが、このところ、ハムバッカーをぶち込んでもいいかなぁと思い始めている。

でもマークII時代のディープ・パープル、リッチー・ブラックモアのフェンダーストラトキャスターの独特の歪み音を聴くと(この頃のリッチーはノーマルフェンダーだが)、うーん、ストラトキャスターにはやっぱりシングルコイルが似合うんだよなぁ〜、と、とんでもなく優柔不断男と化すのだった。



   



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